家づくりの素材の話~カウンターの顔「天板」選び~
大工さんが建築現場で造り付けてくれる「造作カウンター」
作業スペースとして活用する最上面の板部分のことを”天板(てんばん)”と呼びます。
天板は最も目立つ、カウンターの顔とも言える箇所です。
天板に使う素材の選び方しだいで、カウンター印象や使い勝手は違ってきます。
一言で「天板」といってもさまざまな種類があり、その素材によって特徴や使用感が異なるからです。
愛家の造作カウンターでは「木の素材感」にこだわり、特に”たわみ”や”反り”にくい「集成材」を選んでいます。
ココでは「集成材」について、少しだけお話ししてみましょう。
【集成材とは】
ブロック状にカットした木材を張り合わせて大きな1枚の板にしたものです。
【集成材の特徴】
・木の温もりを味わえる
・強度や品質のばらつきが少ない
・反りや割れの心配が少ない
・無垢材と比べて安価で手に入りやすい
【天板の厚み】
・幅が長くなるほど、板は”たわみ”やすい
・奥行きが大きくなるほど、板は”反り”やすい
このサイズによる”たわみ”や”反り”が出ないように、愛家では「厚み30mm」の集成材を使用しています。
「集成材」と言ってもたくさんあります。樹種の特性や個性もさまざま。
愛家では造作カウンターの天板によく使う「集成材」の樹種は、”ラジアータパイン材”と”ゴム(ラバーウッド)材”の2樹種。
【① ラジアータパイン集成材の特徴】
マツの木の一種。北米産、ニュージーランド産、チリ産のもの。
・素朴で温かみのある木目
・明るめのトーン(白っぽいもの~黄味の強いものまで)
・年を経るごとに落ち着いた飴色に変化する
・表面が滑らかで柔らかい材
・傷がつきやすいので、カウンターの上で書き物をする用途には向かない
・愛家標準の「パイン床材」と合わせたい場合
【② ゴム集成材の特徴】
天然ゴムの樹液(ラテックス)が採れるゴムの木、東南アジア産のもの。
・柔らかく穏やかな木目
・淡めのトーン(淡い赤みのあるもの~黄味の強いものまで)
・表面が滑らかで硬めの材
・カウンターの上で書き物をする用途向け(パイン比べて筆圧で凹みにくい)
・愛家標準の「オーク床材」と合わせたい場合
木といっても、それぞれに個性や特性があります。
木目がはっきりしているもの、優しくて穏やかなもの。
手触りがやわらかくて温かみのあるもの、硬くて重厚感のあるもの。
木の個性を知り、さらに用途や空間に合うかどうかも考えてみるといいですね。