悩ましいクロス選び前の「基本のキ」②~クロスの厚み~
大きくは色・柄、デザインや機能の好みで選んでゆくイメージが強いかと思います。
クロス選びへと進むひとつ前段階。
チェックしてほしいポイントをシリーズでお伝えしています。
今回のポイントは・・・
薄いよりも、厚みがある壁紙の方が、仕上りがキレイ
厚みなんてどれも同じイメージと考えていませんか?
実はデザインによってクロスの厚みは異なります。
凹凸のあるクロスで厚いものだと1mmくらい、ツルツルした薄いクロスで0.2mmくらい差があります。
貼るクロスが薄いほど、下地の継ぎ目・反り・ビス穴などが影となってクロス表面に浮き上がりがちです。
クロス貼りは下地が8割 と言われるほど、下地の凹凸や段差が、クロスの仕上がりが左右されるからです。
凹凸や段差をなくすため、パテ(ペースト状の充填材)で埋めて平らにしてゆく、女性のお化粧でいう「ファンデーション前」の下地工程のようなもの。
「パテを塗ってはヤスリがけ」を地道に繰り返す、クロス職人さんの「技術」と「情熱」と「手間」が詰まっています。
ソコまでしても「パテをすれば、完全に滑らかになる」というものではありません。
どうしても限界があります。
初めはキレイでも長年経つと、下地が反ったり、建物が動いたり、パテが乾燥したりと経年変化が起きることもあります。
下地の影響を受けにくい、厚みのある壁紙を施工することで、仕上りがいい状態を保ちやすいメリットもあります。
ではクロスの厚みを確かめるにはどうしたらよいでしょうか?
方法はただ一つ、
「実物サンプルを触って確かめる」ということ。
カタログに貼られた実物のカットサンプルや、
メーカーから取り寄せたクロスサンプルを触って確認してみましょう。
ただし!
「薄いから絶対採用したらダメ」ということはないです。
選ぶクロスのデザインや色彩によって、その部屋の印象を大きく左右するからです。
叶えたい空間にどうしても薄いクロスの色やデザインが必要だから、あえて薄いクロスを選ぶのはありだと思います。
知ってるか知らないかで選ぶのは違うと思うのです。
ぜひ覚えておいてくださいね。